- Naohiro Matsuda
イノベーションの難しさと失敗
皆さんこんにちは
Great Leap Consulting株式会社の松田尚泰です。
本日は、近年よく聞く『イノベーション』について、3回に分けてお伝えしたいと思います。
テレビでも、Youtubeでも、仕事の中でもよく聞く『イノベーション』に関して、
あまり理解せず利用している方もいます。
なので今回は、
-イノベーションとは?(1回目)
-イノベーションの種類(1回目)
-イノベーションを進めることでの失敗(1回目、2回目、3回目)
-今後イノベーションを自分が推進するためにすること(3回目)
をお話したいと思います。
まずは、イノベーションとは”何か”から考えていきます。
皆さんの中で、
イノベーション=”IT”もしくは”デジタルトランスフォーメーション”
と考えている人はどれぐらいいるでしょうか。
この答えとしては概念的な意味では、違います。
では何かというと、
イノベーション=”新結合”
です。
どうゆうことかというと、
”イノベーション”とは、既存の分野に”新しい何か”を結合することによって変革をもたらすこと
ということが概念です。
つまりイノベーションとは、ITなど特定の分野を導入するだけの意味を差すのではなく、
既存のものと新しい何かと結合することで新しい変革につなげていくという意味になります。
上記を前提に置いた上で、イノベーションには4種類に分類されます。
① プロダクトイノベーション
今まで存在しなかった新製品を開発するための技術革新
② プロセスイノベーション
既存の製品の生産工程や技術を改良すること
③ インクリメンタルイノベーション
持続的イノベーションとも言う
既存の製品の細かな部分改良を積み重ねる技術革新
④ ラディカルイノベーション
破壊的イノベーションともいう
今までとは全く異なる価値基準を市場にもたらす技術革新
皆さんの想像しているイノベーションは、上記に記載した種類を言われなければ、①プロダクトイノベーションが多いのかもしれませんが、
イノベーションは、何をどこに技術革新を行うのかで、種類が異なるので、
全くアプローチが異なります。そこを注意しておいてください。
と、ここまでが、いわゆる教科書でもわかる話です。
じゃあ実際にイノベーションを進めたい、既存の分野と新しい分野を掛け合わせたいと考えたとき、私が見てきた失敗する例を3事例ほど原因と共にお伝えしていきます。
(本記事では1事例を紹介します)
ケース1:
新しい技術を導入する際に”実現可能性(フィジビリティ)”や”ターゲット”を明確にしないまま漠然としたサービスができてしまうケース
今の時代、既存の分野にイノベーションを起こす際、そのツールがITであったり、AI・IoTであったりすることが多いです。
その際に特に考える必要があるのが、
『ターゲット』と『実現可能性』を別にして分析するのではなく、
『ターゲット』を基に『実現可能性』を分析すること
です。
どうゆうことかというと、
サービスの実現可能性は段階的に分析する必要があるということです。
特にITを導入する時は、留意しなければいけません。
例えば
農業の技術を効率よく普及させたい(普及する人1名に対して200名)という目標を掲げていました。ですが、現状オフライン(対面)での普及活動だけであるため、最大でも普及する人が1人に対して、30名しか普及できていないという課題があったとします。
これらを達成するためのソリューションが
ITを活用し、スマートフォンや、オンラインで普及できるシステムを構築することで、1名あたりの普及できる人数を増やす(もちろんIT以外を活用する方法もあると思いますが)
だったとします。
上記のソリューションの実現可能性は高く見えますが、
必ずしも、全員がその技術についてこれるわけがありません。
つまり、そのソリューションのインパクトは『ターゲット』によって変動するということです。
ということは、フィジビリティを検証する際に『ターゲット』毎に分析しないと技術革新をしたとしても、ユーザーがついてこないという現象になります。
先ほどの例でいくと『ターゲット』は、
・インターネット使用に制限がない農家
・インターネット使用に制限がある農家
・インターネットを使用しない農家
が考えられますよね。
それを考慮した上で、今回のソリューションは、インターネット使用に制限がない農家にしか、クリティカルにインパクトを与えられないということになります。
となると、
他のターゲットにはクリティカルなインパクトを与えられない可能性ができるため、
実現可能性って低くないですか?
というお話です。
総括すると、
イノベーションを行う場合は、段階的に行う必要があります。
その段階的に行う判断は、『ターゲット』を基に『実現可能性』を分析します。
これを理解せず、”新しい何か”を導入したとしても、本当の意味での変革が起きることなく失敗してしまいます。
失敗するリスクをできる限り減らしていきましょう。
次の記事は、
新しいものを導入する上での失敗する事例を紹介します。
Bye